【レポート】令和2年度宗像・遠賀・粕屋地域環境協議会事業シンポジウム

 2021年3月28日(日)に宗像・遠賀・粕屋地域環境協議会事業が主催するシンポジウムに、伊東教授、長谷川が参加しました。本シンポジウムは、県内で環境保全・自然再生に取り組む団体の方々の取り組みを知り、うまくいっている点や課題の共有を目的として開催されました。
 伊東教授のご講演では、ノルウェーアメリカの自然環境と保全・活用の取り組みについて、また徳島県阿南市・福岡県福津市での環境計画を実践していくしくみについてお話されました。

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長谷川からは、株式会社コイシさんと協働で進めている津屋崎干潟の調査からわかってきた土砂の堆積状況と課題について、大峰山で津屋崎の方々と取り組んでいる森づくりのプロセスについてお話しました。
 

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オンラインで参加したNPO法人北九州・魚部の上野さんからは、県内外での生物調査の報告、調査の楽しさとその重要性についてお話しされました。
 

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 NPO法人ふくおか湿地保全研究会の小山内さんからは、希少な鳥類、汽水性魚類、海岸性植物などの生息・生育場である河口域の環境におけるごみ問題の視点を共有し、10年以上続けている清掃活動の取り組みと調査結果についてお話されました。
 

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上西郷川日本一の郷川を目指す会の大嶋先生からは、福間南小学校・地域で取り組んできた郷川再生の取り組みについて、子どもを主役にしながら進めてきたプロセスをお話しされました。

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 トヨタ自動車九州株式会社の荒木さんからは、トヨタが目指す環境保全への取り組みについて、大企業としての大きな目標と、自然共生型の工場づくり実現に向けた宮若での生物調査についてお話しされました。

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 光陵高校のうみがめクラブの皆さんからは、手光ビオトープでのカスミサンショウウオの生息環境について、データをもとに調査報告と今後の展望を共有していただきました。

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 シンポジウム後半では、伊東教授のコーディネートの元、パネルディスカッションを行い、活動を継続するコツや課題をどう乗り越えてきたか、それぞれの経験をもとに議論がされました。身近な環境の重要性と関わる楽しさを多様な主体や地域住民と共有すること、継続的に関わりながら得たデータを裏付けとして活動を進めていくこと、子ども主体で進めていくために、まず大人が本気になりその姿を見せていくことの大切さなど、様々な意見が出されました。
 

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 地域での環境保全・自然再生のしくみをつくり、取り組みを継続していくことは容易ではなく、またそれぞれの地域でそのプロセスは異なります。今回のシンポジウムのように、継続的に取り組んでいる方々の経験や、課題をどう乗り越えてきたか、マネジメントをどのように行ってきたのかを共有する重要性を改めて感じました。
(文章:D1 長谷川逸人)