【第13回環境フォーラム】

【第13回環境フォーラム】

2017年12月16日イオンモール福津にて「第13回環境フォーラム」が開催されました。

今回の環境フォーラムでは、第2次福津市環境基本計画の実践に向けた取り組みの一環として、環境デザイン研究室・福津市うみがめ課・福津市環境フォーラム企画運営委員会・福岡県立水産高等学校・福岡県立光陵高等学校の皆さんと企画・準備をしてきました。

 

中でも、午後から行われたステージ企画「海・山・里とわたしたち」は、私たち環境デザイン研究室がメインとなって行いました。このステージ企画は、第1部「福津市の自然環境と守るための取り組み」、第2部「未来の“ふくつ”を守るために」の2部構成となっており、福津市で活動されている多くの団体の方に発表していただきました。

 

■第1部

はじめに、九州工業大学環境デザイン研究室から伊東啓太郎教授が第2次福津市環境基本計画策定のプロセス、福津市の自然環境の現状や、グリーンインフラを活用した街づくりの重要性についてお話してくださいました。続いて、修士2年池尻絵美が、市民の方々が思う福津市の魅力ある自然環境と課題を感じている自然環境について、学部4年柳田壮真が海岸マツ林の歴史と役割、福津市の海岸マツ林の現状について、それぞれの研究から発表しました。

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次に、福津市で活動されている6つの団体の方々から活動の内容や取り組みに対する思いをお話していただきました。

・上西郷川日本一の郷川を目指す会

上西郷川に住む生き物や上西郷川の魅力について、お芝居形式で楽しく分かりやすいお話をしていただきました。保全活動の取り組みにより、素晴らしい郷川へと変わっている様子を知ることができました。

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・環境ネットワーク「虹」

幼児期から自然と触れさせることで自然を大切にする感覚を育み、自然保護に理解のある大人に成長してもらいたいというESD(持続可能な開発のための教育)の取り組みについてお話していただきました。自然環境を思う気持ちを幼児期に育む取り組みは、将来の自然環境を守るうえで重要だと感じました。

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・福岡県立光陵高等学校

今年の夏に行いましたイギリス研修やユネスコスクールでの取り組み、これまで見聞きしたり、調べたりして学んでこられたことを発表していただきました。イギリスや福津市の自然環境から受けている恩恵についてもまとめられており、自然環境と文化のつながりについても説明してくださいました。

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・福岡県立水産高等学校

「~豊かな海づくり~プロジェクトT」について発表していただきました。竹でできた漁礁を使うことで、竹林の拡大と磯焼けの解決を目指す取り組みの説明は、山と海をはじめとする自然環境の繋がりが分かる発表でした。

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・干潟みまもり隊

津屋崎の干潟に生息する貴重な生き物や保全のための取り組みについてお話してくださいました。カブトガニクロツラヘラサギなど貴重な生き物の生息環境として干潟の重要性を感じました。

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里山みまもり隊

活動を通してみられるさまざまな生き物たちの魅力について発表していただきました。紹介してくださったカスミサンショウウオやアカガエルなど、生き物の特徴が興味深いお話でした。

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最後に、各団体の方と伊東先生でパネルディスカッションを行いました。環境保全活動に取り組むうえでの課題や、各団体の取り組みの今後の展望についてお話しがありました。

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■第2部

まず、対談者である福津市役所の品田祐輔さん、福間郷づくり推進協議会環境景観部会の廣渡策生さん、北部九州里山再生プロジェクトの長谷川逸人さんに福津市の自然環境の将来について、団体の活動と合わせてお話していただきました。

福津市役所の品田祐輔さん

福津市にいる生き物を福津市の場所とあわせて紹介してくださいました。身近におもしろい生き物がたくさんいることを知り、福津市の生物の多様性を再認識しました。

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・福間郷づくり推進協議会環境景観部会の廣渡策生さん

現在取り組まれている海岸マツ林の保全活動についてお話していただきました。小学生、中学生とも清掃活動をされており、多世代で守る取り組みは、海岸マツ林を将来に残していくための重要な取り組みの一つだと感じました。

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・北部九州里山再生プロジェクトの長谷川逸人さん

津屋崎の大峰山で地域の方々と取り組まれている里山再生について発表していただきました。現在、全国的に問題となっている里山の管理について、里山の問題をみんなで解決するだけではなく、楽しく活動しながら里山を地域の魅力にするための取り組みが印象的でした。

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次に発表してくださった3名の方と伊東先生で、「未来の“ふくつ”を守るために」というテーマで対談を行いました。福津の自然環境の変化、これからの環境保全を担う若者の参画について、保全活動を継続して行うための工夫などのお話がありました。

対談の途中には、会場の方々からも意見をいただきました。その中で、海岸マツ林の保全のしくみについて研究されていらっしゃる徳島大学の朝波さんは、郷づくり推進協議会の活動のすばらしさ、福津の魅力についてお話してくださいました。

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福津市の自然環境を守っていくためには、多くの団体、たくさんの人たちの協力が大切です。本環境フォーラムを通じて福津市の自然環境の魅力を皆さんが認識し、保全の取り組みをはじめるきっかけになると幸いです。福津市の自然環境を守り育てるために、今後も、環境基本計画の実践に取り組んでいきたいと思います。

(文章:柳田壮真)

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